RAMPO

現し世は夢
夜の夢こそまこと
この有名なフレーズから連想される人物といえば、只一人。
江戸川乱歩だ。
江戸川乱歩を主人公として、怪奇幻想の乱歩世界を描いた映画。
それをさらにゲーム化したのが、このRAMPOよ。
なんか複雑っすね。
主人公江戸川乱歩を演じたのは、怪優竹中直人。
プレイヤーは、彼の視点を通してゲームを進めるんだ。
竹中直人になるんすか?
乱歩になるんだよ。
時代は、乱歩が生きた昭和初期。
乱歩が大家を務める下宿屋から、物語は始まります。
作家を生業とするかたわら、下宿の大家も勤める乱歩。
そこに現れたのは、原稿催促の担当編集者、横溝正史。
後に本人も有名作家となった人物だ。
この辺は、史実に基づいてるのよね。
この人がゲームの進行役や、解説をしたりするんだ。
結構出番多いぞ。
で、実際に動かす場面はというと。
夢見館と同じようなシステムよ。
RAMPOの方が、雰囲気出てるわね〜
このCGで作られた舞台に、実写のキャラクターが合わせて表示されるんだ。
当然セリフも音声のみ、ちゃんと聞いてないとだめだぞ。
なんか、本当に映画の中に入ったみたいな感じっすね!
さて、家賃の取立てで部屋を回ると、空き部屋のはずの所から人の声が。
誰かが入り込んで逢引きに使ってるらしいわよ。
鍵は盗まれて、しかも中からかけられている。
そこで乱歩は、他の部屋の押入れから屋根裏に入って、件の部屋を見に行く事に!
「屋根裏の散歩者」を実践だ!
屋根裏の散歩者は、乱歩の小説なのよね。
乱歩が主人公の映画なのに、その小説世界の行動を乱歩が取る。
この辺の趣向が凝ってるな。
薄暗い屋根裏を這いずり回る乱歩。
光が差し込む場所からは、下の部屋を覗く事が出来るわよ。
人のプライベートな場所をこっそりと覗く悪趣味さ。
乱歩小説ならではのシチュエーションだが、これがゲームとなった事で、自分がそういう行動を取る背徳感がより深まるんだ。
さて、例の部屋を覗くと・・・・
案の定そこには人が入り込んでいるわよ。
会話を聞くと、もうすぐ部屋から出るらしいわね。
しかし、屋根裏から戻ってみるとすでに部屋はもぬけの空。
間に合わなかったようだな。
この部屋を調べて見つかるのが、この二銭銅貨よ。
「二銭銅貨」も乱歩の小説だな。
ここで見つけた銅貨も、小説と一緒で中に手紙が隠されてるんだ。
小説のネタになればと、この二銭銅貨に入っていた手紙の謎を追う事にした乱歩なのでした。
ここら辺までが、物語の導入部って所ね。
この出来事が元で、その小説が書かれたって事っすか?
違うわよ。
小説が先で、それをふまえて映画が作られてるのよ。
む〜〜〜?
なんか難しいっすね〜
映画は、乱歩世界を乱歩が歩くと言うオリジナルの作品なんだ。
それのゲーム化って事で、プレーヤーは映画に入り込むような、乱歩世界に入り込むような、不思議な感覚になってくるんだ。
ゲームと実写の融合ってのはけっこう鬼門だったりするんだけど、元が映画の素材なだけに、そこそこまとまってたわね。
案内役の横溝正史がちょっとうるさすぎたりするけどな・・・
妙な軽さが雰囲気を壊す時が・・・
先生〜先生〜先生〜
ってうるさかったっすよね。最初から。
それでも、元々乱歩が好きだった兄貴は、けっこう気に入って遊んでたわよね。
さっきの二銭銅貨みたいに、元ネタを知ってるとニヤリとする展開があるからな!
乱歩ファンならより一層楽しめるってもんだ!
ちなみにパッケージに入ってる赤いカード。
「公爵邸で謎に行き詰った時に使って下さい」ってマニュアルに書いてあるんだけど・・・
ああ、この説明書の赤い所に重ねるとヒントが見える奴っすね。
兄貴は、何を勘違いしたのか、これでゲーム画面を見て、ヒントが出ないか探してたのよ。
それはとんでもない勘違いっすね!!
うるさいな・・・
もしかしてと思っただけじゃないか・・・
それでは、まとめに。
ゲームとしては夢見館の延長程度ですが、乱歩世界を堪能できる一本です。
乱歩ファンなら、一度遊んでみてもいいんじゃないでしょうか。
乱歩となって、夢の世界をさまよってみようじゃないか!


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